2012年5月31日木曜日

フィルターのお話

2012年現在でも、本当のサイクロン掃除機は、ほとんど存在しません。

サイクロンという名を使った、高性能フィルター掃除機である、というのが私の見解です。

今回は、そんな掃除機の陰の主役フィルターのお話です。


従来のフィルター
従来のフィルターは、ただの網目、ある程度のほこりをキャッチするくらいのフィルターでした。
ホームセンターにも、普通のフィルターは大量に売っているでしょう。

                   
                    従来のフィルターの一例




HEPAフィルター
HEPAとは「High Efficiency Particulate Air Filter」の略です。
JIS規格にて「定格流量で粒径が0.3μmの粒子に対して99.97%以上の粒子捕集率をもち、かつ初期圧力損失が245Pa以下の性能を持つエアフィルター」と定義されています。
HEPAフィルターは、1μmのほこりまで、通さないということで、直径0.0003mmの細かな微細粒子を99.97%キャッチできます。
ですので、理論上は、花粉、ダニのふんや死骸、カビ、ハウスダスト等、ほとんどキャッチして、とおしません。

                掃除機のHEPAフィルターの一例





ULPAフィルター
ULPAとは「Ultra Low Penetration Air Filter」の略で、HEPAフィルターよりさらに高性能です。
JIS規格で「定格流量で粒径が0.15μmの粒子に対して99.9995%以上の粒子捕集率をもち、かつ初期圧力損失が245Pa以下の性能を持つエアフィルター」と定義されています。
イメージとして、HEPAフィルターよりも、さまざまな微粒子をとおさないぞ!と覚えておいて下さい。


現行のサイクロン掃除機は、HEPAかULPA、でなければ、両方搭載しています。
サイクロン掃除機という名の、高性能フィルター掃除機と解釈する所以は、このことからです。

2012年5月30日水曜日

シャープ EC-VX200



シャープ製 ECVX200の紹介です。

2008年11月発売
サブネームは、「KIREION(キレイオン)」
色は、S、D、P、シルバー、オレンジ、ピンクが存在します。
後継機としてECVX210(ネイビー、レッド)
前機種は、ECVX2です。
同時期発売にECAX100、ECCT10があります。
当時のシャープ製掃除機で、最上位機種です。
新発売当初で、約7万円ほどした代物です。

以下、メーカー公表性能です。

・電源 100V
・消費電力 950W~約260W
・吸込仕事率 450W~約80W
・運転音 48~約44dB
・集塵容積 0.4L
・質量7.3㎏
・本体寸法 幅250×奥行420×高さ262
・コードの長さ 5m


当時としては、音が小さいという売りでした。
そりゃあ、紙パック式よりは小さいでしょう。
使っている防音材の数が違いますし、なによりモーターの出力は小さくなっています。

音がうるさいという口コミもありますが、何と比べて?という感じです。

お手入れは、確実に面倒くさいです。
私は個人的に、面倒くさがりなので、紙パック掃除機派です。
現行のサイクロン掃除機は、確実にすべてのメーカー、機種、お手入れが必要です。
まめで、きれい好きな方は、サイクロン掃除機が向きますが、面倒くさがりの方は紙パックが向くでしょう。



                     運転の様子
 

フィルター自動掃除の姿


  

2012年5月29日火曜日

吸込仕事率のお話



なぜ紙パック式が吸込仕事率600Wでサイクロン式が450Wなのか?

吸込仕事率が大きいほど、確かに吸込む力は強いです。

しかし、いくら掃除機といえど、強ければいいというものではなく、バランスが大事です。
紙パックは、フィルターとしての性能は低く、強い力で吸込まないと、ゴミを吸い取るほどの力は生まれません。

サイクロン式はというと、一昔前は、ただのフィルターでしたが、現在は、HEPAフィルターという高性能なフィルターになっており、それほど出力の高いモーターでなくとも、十分な力が生まれるようになりました。

そのため、ダイソン製の掃除機はフィルターがついていないこともあり、吸込仕事率が約200W程度なのですが、数字に惑わされるお客さんがいることを懸念してか、ダイソンは吸込仕事率を公表していません。

2012年5月27日日曜日

サイクロン掃除機の真実

一般的なサイクロン掃除機の原理を紹介します。

実を言うと、ただゴミが回っているだけです。

容積のあるダストカップの小さい穴から、おもいっきりモーターが吸うと、ゴミは勝手に回ります。

水が排水溝に吸い込まれていく時に渦になるのと同じ原理です。

ここに私が実験した動画があるので紹介します。

ペットボトルの上と下に小さい穴を開けただけです。

そのペットボトルの上から掃除機で吸ってみると、





このように、穴から吸うだけで、ゴミは勝手に回転するのです。

これが一般的なサイクロンの正体です。

本当の遠心分離サイクロンにするならば、ダストカップごと回転させゴミを遠心力によって、分離させることができる掃除機があれば、それが本当のサイクロン掃除機といえるでしょう。



このブログで紹介している機種↓

掃除機の種類

今回は、掃除機の種類について紹介します。
一般的な掃除機の種類と、私の掃除機の種類の解釈は違いますので、そのことを申し添えます。

○紙パック式掃除機
昔からあるメジャーなタイプです。
紙パックにゴミを集積し、紙パックを交換するだけで簡単に吸い取ったゴミを捨てることができます。
最近は、紙パック式掃除機の進化も著しく、一昔前とは目を見張るものがあります。
掃除機は、モーターの吸込む力が漏れないように設計されています。
簡単に説明すると、モーターによって、紙パックを設置する空間全体を吸っています。
床ブラシ、延長管、サクションホースを通ってきたゴミが、紙パックで止まるようになっており、紙パック自体には、ゴミが通らないような小さな穴が開いています。
吸う力は掃除機の性能ですが、何ミクロンの埃が通らないかは紙パックの性能です。
紙パックを設置する空間が汚れるのは、紙パックでも止まりきらない埃が通過するためです。
紙パックにゴミが溜まってくると、掃除機の吸い込む力が弱まるのはそのためです。
サイクロンと紙パックどっちがいいの?

○フィルター式掃除機
紙パック式からの進化系?です。
紙パックの代わりに網目やウレタンのフィルターがついています。
一般的にフィルター式は、紙パックの代わりに、モータとゴミが溜まるカップの間にフィルターがついており、そのフィルタによってゴミが止まり、カップにゴミが溜まる、というしくみとなっています。
紙パック式に比べると、紙パックという消耗品は要りませんが、フィルターを掃除しなければいけないという手間がかかります。
私の持論ですが、 一般的に各メーカーがサイクロン式と謳っている掃除機のほとんどは、 フィルター式掃除機である、と考えています。
なぜなら、サイクロン式掃除機と言っても、そのほとんどにフィルターがついており、HEPAフィルターという高性能なフィルターというだけで、フィルターで埃を止め、ダストカップ内にゴミを集積する、という基本的な機能は同じです。
現在、サイクロン式といえるのは、ダイソンの掃除機と東芝の上級モデルくらいでしょう。
フィルターのお話

○サイクロン式掃除機
一般的に、サイクロン掃除機と言えば、ダストカップ内にて、ゴミを遠心力で小さい埃と大きい埃に分離、蓄積圧縮する掃除機のことです。
しかし、私が考える本当のサイクロンは、フィルターの存在しない掃除機です。
先ほども言ったように、一般的なサイクロン掃除機は、ゴミを回転させているだけで、フィルターでゴミを止めるという基本的な構造は変わりません。
ダイソン掃除機以外に国産でサイクロンと呼べるのシャープ製だけだと言いますが、シャープ製の掃除機でさえ、フィルターなしの掃除はありません。
現在、フィルターの存在しない掃除機は、ダイソンと東芝の上位機種VC-SG711(SG611)くらいです。
前述の2機種がサイクロンと呼べるのは、フィルターでゴミを止めるわけではなく、しっかりと遠心力によりゴミを分離しダストカップにゴミを蓄積している点にあります。
実際のところは、東芝のVC-SG711にもHEPAフィルターはついていますが、そのフィルターにてゴミを止め、集積しているわけではない点で他の掃除機とは違います。
現実に、ほとんどの掃除機が吸込仕事率が450W前後なのに対し、ダイソン製と東芝の上位機種は200W前後ということが、本当のサイクロン式掃除機であることを表しています。
サイクロン掃除機の真実

○紙パック式掃除機と他の掃除機の違い
紙パックと私の考えるフィルター式掃除機との最大の違いは、ずばりメンテナンスです。
紙パックは、パックにゴミが溜まったら取り替えるだけなのに対し、フィルター式は、自分でカップに溜まったゴミを捨て、場合によってはフィルターを洗わなければなりません。
一般的なサイクロンと呼ばれる掃除機も手間がかかり、ダイソンといえども、手間がかかることには変わりません。
サイクロンと紙パックどっちがいいの?

○いろいろな掃除機
横型掃除機・・・一般に見慣れている、ここで紹介している掃除機は、横型掃除機です。床移動型、キャニスター型ともいいます。
縦型掃除機・・・立った状態のまま保管して起動使用できる掃除機、ほうき型、アップライト型、スティック型ともいいます。
ロボット掃除機・・・現行家庭用では、丸く、床を掃除しながら自動で移動する掃除機です。自動自立型ともいいます。
詳しい解説は「横型掃除機と縦型掃除機」「ロボット掃除機」でしています。


このブログで紹介している機種↓
ECPX200ECPX120ECVX210ECVX200ECCT10

2012年5月23日水曜日

掃除機とは

○掃除機のしくみ
掃除機のしくみは簡単です。
掃除機はモーターがすべてです。
モーターと羽が一体型となっており、回転を生み出すコイルと、吸い込む力を生み出す羽が一体型となって、「吸う」という力を生み出しています。
モーターこそが掃除機の心臓部であり、掃除機という機能のすべてです。
掃除機の種類については、後述しますが、モーターが駆動して、「吸う」ということに関しては、すべての掃除機に当てはまります。
逆に言うと、モーターのついていない掃除機は存在しません。

○掃除機の構成
掃除機をパーツ別に分けると、「本体」 「サクションホース」 「延長管」 「床ブラシ」 の4つからなります。
「本体」・・・文字通り本体です。本体は、コード、モーター、ダストカップ(紙パック)から構成されます。
「サクションホース」・・・ジャバラのホースです。大体の掃除機にホース部分にスイッチがついています。
「延長管」・・・単純に床ブラシとホースをつなぐ部分です。伸縮するのが特徴で、ズームパイプとも言ったりします。
「床ブラシ」・・・床との設置面です。ノズルとも言ったりします。ブラシが自動で回るタイプを自走式、空気で回るタイプをタービン式と言ったりします。

○掃除機の種類
現行の各メーカー発売状況では、一般的に
①紙パック式掃除機
②フィルター式掃除機
③サイクロン式掃除機
となっています。
私は、この種類分けに異論がありますが、一般的な種類分けとしては、この3つです。
掃除機の種類

○掃除機の仕事
掃除機の仕事についてです。
掃除機の仕事は、ずばりゴミを吸い込むことです。
吸い込む力が強ければ強いほど、優秀と言えるでしょう。
では、単純に吸い込む力が強ければいいのか? というと、そうではありません。
音であったり、付属品であったり、デザイン、大きさ、使いやすさであったりと、人によって重視するポイントは違うと思います。
そんな掃除機の仕事について、当ブログでは提唱して行きたいと思います。

○掃除機の性能
先ほど、掃除機の仕事については言いましたが、簡単な掃除機の性能の見方です。
まず、大体の掃除機は、「吸込仕事率」を公表しています。
この「吸込仕事率」が簡単に言ってしまえば掃除機の性能です。
「吸込仕事率」の数値が高いほど吸込む力が強いといえますが、ただ、気をつけていただきたいのが、「吸込仕事率」が低いから性能が悪いということではありません。
分かりやすく説明すると、一般的に
紙パック式 → 約600W
サイクロン式(フィルターあり) → 約450W
サイクロン式(フィルターなし) → 約200W 
吸込仕事率のお話

このブログは家庭用掃除機の説明をしていることを申し添えます。


このブログで紹介している機種↓
ECPX200ECPX120ECVX210ECVX200ECCT10